初夏の雪、ポプラ

 すっかりスロバキアも暖かくなり、最近の日中は半袖でも十分に過ごせるようになっております。欧州はこれから最高のシーズンが始まります。

 そんな5月ですが、スロバキアでは空気中にこのような白い綿毛が大量に飛び交います。

風に舞っているときはもっとふわふわしています

 日本人的にはタンポポの綿毛っぽく見えますが、実はコレ、ポプラの綿毛です。

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 ポプラは成長が早くまっすぐ上に伸びる樹木であるため、古来より都市や公園の緑地化や風防用として植樹がされておりました。日本でも明治以降に輸入され、人工的に植えられてきたようです。ただ、欧州地域は原産地ということもあってか日本の比にならない量のポプラがそこかしこに植わっているため、春先に都市・郊外を問わずこうした綿毛が大量に舞う現象が発生します。また、ポプラはロシアからフランス、イギリスのヨーロッパの西端まで分布しているため、「コットンウッド」や「夏の雪」など各地に呼び名があり、欧州地域ではこの綿毛散布は季節の風物詩として定着しているのです。

この時期の街中の道端には綿毛が溜まっていたりします

 そんなポプラですが、過去には日本全土でガンガン植樹をされたらしいのですが、現在本州地域にはあまり残っていないそうです。というのも、ポプラは木材が柔らかく強風に弱いという致命的な欠陥があり、毎年のように台風が押し寄せる日本列島の気候には合わなかったため、現在は東北や北海道など台風があまり多く来ない地域にしか多く残っていないようです。特に北海道は、「北大のポプラ並木」などの有名スポットがありますね。