自分で切れば実質無料

 皆様、散髪ってどれくらいの頻度でいきますか。男性だと大体1か月~2か月くらいという方が多いでしょうか。そして、大抵は行きつけの床屋・美容室があり、カットしてくれる理髪師・美容師さんも固定の方がほとんどと思います。

 人間、どこに住んでいても髪の毛は伸びてくるわけで、ヨーロッパ在住といえど髪の毛は定期的に切らねばなりません。そんなわけで今日は欧州在住の散髪事情について書いていきたいと思います。

 まず、海外在住者向けに言われる格言として、「現地の『病院』と『美容院』にはできれば行きたくない」というものがあります。実際、現地の美容院には私も行きたくありません。これには、①人種別の髪型の選好の差②人種別の髪質の差という2つの要因があります。

国籍・人種別の髪型の選好の差

 例えば、顔だけ見ればそこまで差がない日・韓・中の3民族ですが、極東人の我々だとぱっと見で大体「●●人」ぽいなーというのは分かります。もちろん顔つきの微妙な違いもありますが、それ以上に分かりやすい理由はファッションと髪型です。最近は韓国アイドルの隆盛によって多少均質化してきましたが、そもそも国籍ごとに髪型の好みというのは微妙に異なります。

 これが、ヨーロッパなど極東から離れた地域だとより顕著に出ます。よく、海外美容室失敗談でものすごく変なスポーツ刈りにされた、すさまじく短く切られたみたいな笑い話がありますが、これは現地美容師が日本人の選好する髪型というのものを良く知らず、曖昧なカットオーダーを欧州でスタンダードな髪型に誤解釈してしまった結果起こることが多いです。もし海外の美容院で髪の毛を切らざるを得ないということでしたら、ものすごくきっちりオーダーをすることをお勧めします。ただ、一番お勧めするのはそもそも海外の美容室に行かないことです。

人種別の髪質の差

 もう一つ、決定的な差として外国、特にアジア人がほとんどいない国だと美容師がアジア人の髪質を切る技術がないという問題に直面します。

 今私がいる国を例に説明しますと、一番多いのがスラブ系なのですが、スラブ系の髪質は軟毛、量は少なめでウェーブがかかっている人が多い傾向にあります。それに対して、日本人の髪質は黒でストレート、量は多めでキューティクルがしっかりしていてサラサラなことが多いです。そのため、普段スラブ系の髪を切り慣れた美容師では日本人の髪の毛を切れません。

 私が現地美容院に行った経験をお話しますと、私の髪質は日本人の中で比べても毛量が相当に多く、さらに超絶直毛でキューティクルもしっかりしています。そのため、日本の美容室で髪を切る時は必ず量を梳いてもらうオーダーをするのですが、現地美容室にそれを言ったら「え、どうして減らすの?多い方が良くない?」みたいなことを言われました(捕捉で説明すると、金髪系の髪はどうしても毛自体が細くなるので、白人種はどうやって髪の毛にボリュームを出すかを大切にしています)。また、髪の毛を切ってもらっている最中も、キューティクルが強く滑る髪の毛がなかなか上手く切れないのか、しょっちゅう手がすっぽ抜け、あげく最終的には切るために髪の毛を強く握るので、ものすごく髪の毛を引っ張られました。当然こんな状態では満足のいくカットになるわけはなく、「もう二度と現地美容室には行かねぇ・・・」となったわけです。

 とはいえ、人間放っておいても髪は伸びます。男性は女性と違いロングにすることもなかなか難しく、どうしてもある程度の頻度でカットせねばなりません。

 ということで、自分で髪を切ることにしました。

ヘアカットツールたち

 はさみ、梳きばさみ、バリカン、クリップ、くし、ヘアゴムです。これで自宅玄関の鏡の前に新聞敷いて切ります。見えづらい後ろ側は妻にやってもらっています。一人暮らしじゃなくてよかった。なお、切っている最中は上裸でやっているので、カット最中の絵は割愛します。

 ちなみにこの前切った時はこんな量になりました。最初は自分で切るのに躊躇していました、最近は慣れたものでザクザク切れるようになりましたね。最後に美容師に切ってもらったのは昨年の9月でして、ほぼ9か月美容院に行ってません

 自分で髪切るの、きついっすよ・・・という人には

 とはいえ、自分で髪の毛を切るのってしんどいぜっていう人でもし海外在住が決まってしまったら、そんな時は「日系美容室」に行きましょう。

 日系美容室とは、日本人経営で日本人が勤務している美容室のことで、世界各国の主要都市にはあることが多いです。ここならば日本人美容師もいるので、変なカットにされることもありません。

 なお、当たり前ですが日本人が多く住んでいる街にしかないため、ブラチスラバのような日本人があまり住んでいない都市には日系美容室なんてありません。そのため、妻の日系美容室での髪切りたさを叶えるべく、ドイツやイギリスへ旅行ついでに美容室へ行くなんてこともしたことあります。髪の毛を切るために国外旅行をする、気軽に隣国へ行けるヨーロッパならではだなと思います。