戦地の隣国

 2月24日未明、ロシア軍による多方面作戦が開始、全面的にロシアがウクライナへ侵略を始めました。報道では、26日現在も首都キエフを中心にウクライナ全土で戦闘が続いています。

 ロシアによる侵略開始(日本政府によってロシアの侵略認定がされたので、以後は「侵略」と呼称します)前後から、日本語情報によるロシア・ウクライナ情勢の記事も増えてきましたので、当ブログでロシアが侵略に至るまでの過程の解説は省きます。きちんと信頼したメディアによる解説記事等をご覧いただければと思います。

 さて、当地から発信できる情報、ということで考えたところ、「侵略に伴って大量に発生するかもしれない難民」の話をしようかと思います。

 まず、ウクライナスロバキアの東側で国境を接しています。侵略開始以前はウクライナの首都キエフスロバキアの首都ブラチスラバの直行便であったり、スロバキア東部都市とウクライナ西部都市間で列車の運行がなされていました。ただ、略開始の24日午前には全便、全列車が運行停止いたしまして、ウクライナからスロバキアへの入国は陸路のみとなっております。この陸路への入国状況ですが、24日開戦直後は国境での待ち時間が12時間(平素の一番混む時期で4~5時間らしいです)という表示がされておりました。ちなみに、26日現在は待ち時間自体の表記がホームページから消えていますので、現場も相応に混乱しているのかもしれません。

 ちなみに、ウクライナからスロバキアへ国境を越えてきた人のうち、大半は女性・子供・高齢者です。現在、ウクライナでは国民総動員令を出したことで、18~60歳の男性はロシアとの戦闘のために出国禁止になっているためです。

ABCアナウンサーが投稿した動画を見てもらうと分かりますが、女の人ばかりです。

 現在、スロバキアでは避難してきたウクライナ人に対し、一時的に「無料の医療」「労働許可」「公共交通料金の無償化」「食事と飲み物の提供」を行うことを表明しております。下記ツイートはスロバキア首相顧問によるものです。

 他にも、東側地域の大学の学生寮を一時シェルターとして活用したり、災害用の備蓄物資を提供するといった活動も始められています。さらに、以前はコロナウイルスワクチン接種証明書がなければウクライナからの入国は拒否できましたが、今回の侵略からの退避目的による入国の場合、ワクチン接種証明を不要とする一時措置も行われています。

 26日現在、報道では侵攻によるウクライナ難民は周辺国で合わせて約11万人いると発表が出ています。しかし、今後ロシアがウクライナを降伏させ傀儡政権を樹立した場合、難民の数というのは飛躍的に増えるのではないかとも指摘されており、スロバキア政府は難民が大量流入した際に対応できるよう、非常事態宣言を出す準備もしております。

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 写真はウクライナ国旗色にライトアップされた旧市庁舎です。大統領府やブラチスラバ城も同じ色にライトアップされておりました。また、今週末では街の中心広場で戦争反対のイベントを催すなど、ブラチスラバ市内の至るところで反戦運動が行われております。