自動車が飛ぶ

先日、一部メディアでも報道され話題になりましたが、「空飛ぶクルマ」が初の都市間飛行に成功しました。

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公式が動画をyoutubeに挙げてるので必見です。個人的には、空を飛んでる瞬間よりも着陸後に飛行機→車に変形するときの機構の方が男心をくすぐります。やはり変形ロボットは正義。

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この都市間飛行に成功した車を開発したKlein Visionは、スロバキアの都市ニトラにあるベンチャー企業です。こういった次世代モビリティのベンチャーというとシリコンバレーなどの「聖地」と呼ばれるような場所で華々しく行われることが多いイメージですが、実はスロバキアにも有望ベンチャー企業というものがあるのです。

www.klein-vision.com

この空飛ぶクルマ、「ニトラ・ブラチスラバ間の飛行に成功!」と言われてもスロバキアの地理がよくわからないとピンとこないと思うので解説しますと、今回飛行したニトラ空港とブラチスラバ空港は距離にすると大体90km程度、両都市間には高速道路も開通しているので、地上では約1時間ほどで着くことができます。これを今回35分で飛行したということですね。

 

さて、実はスロバキアは主要産業が自動車、と言われるほどに自動車産業が盛んです。2020年の総生産台数を人口1000人あたりに直すと181台でして、これは世界第1位を誇っております。あと、スロバキアが誇る数少ない世界第1位の記録です。国内にはフォルクスワーゲンジャガー・ランドローバー、KIA、プジョーシトロエンという4ブランドが大規模工場を構えており、これらの工場生産を支えるパーツを供給する日系企業も数多く進出しております。

この空飛ぶクルマですが、用途としては都市間交通よりも道路網が未整備な田舎間の交通を主眼に置いているそうです。自動車産業が盛んで、かつ人口もそこまで多くなく適度に田舎、大型航空機のルート上でもないこの国は空飛ぶクルマベンチャーにはうってつけなのかもしれません。