今日は祝日です

ブログもあんまり無理して書くものではなく、基本的には1週間に1回ペースくらいで物書きしてければいいかな、と思っている次第なのですが、本日は祝日で時間も余っているので連投します。

今日が祝日とか何言ってんだこいつ、と感じるかもしれませんが誰も日本の祝日の話をしておりません。

 

今日は、チェコ・スロバキアブルガリア北マケドニアなどのスラブ語圏地域では「聖キリル・メトディウスの日」という祝日でお休みです。

とはいえ、この祝日名を聞いただけでは「なんの祝日やねん」となるのが仏教徒日本人なので、解説します。

まず、9~10世紀ごろ、今のチェコ・スロバキアハンガリーの一部には「モラヴィア王国」というスラブ人の国がありました。その時、この国内でキリスト教正教を普及させようということになりました(なんで普及させる必要があったか、なんでカトリックじゃないのか、というのは当時のビザンツ帝国フランク王国が絡んだ世界史の話になるので割愛します)。

そんなわけで、ビザンツ帝国首都のコンスタンティノープルからモラヴィア王国へキュリロス・メトディウスという兄弟が派遣され、領内にキリスト教正教を布教することになりました。

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wikiから借用。左がキュリロス、右がメトディウス

ja.wikipedia.org

ただ、布教にあたっての問題として、当時領内で使われていたスラブ語には文字がありませんでした。そこで兄弟は、布教をより推進するためにスラブ語の文字を作ってしまおう、ということで新たに文字を創出。それが、今ロシア語などのスラブ語族圏で使われているキリル文字の原型であるグラゴル文字です。

ja.wikipedia.org

つまり、この兄弟は民族・文化の根幹を担う文字を創出した、ということで祝日にするにふさわしい功績というわけです。

ちなみに、この祝日のちょっと不思議なところは、チェコスロバキアでは今年のカレンダーだと7月5日が祝日なのですが、ブルガリアだと5月24日と日にちが違います。また、同じスラブ語圏の国でも祝日に採用している国、していない国とバラバラです。この辺、祝日の選定にも各国の歴史に対する思惑というものが伺えます。

それと、こっちの祝日の特徴としては、飲食店などの一部店舗を除きほぼ全休となります。そのため、ショッピングモールに行ったところでアパレル・家電屋・スポーツ用品店ともども全部お休みです。日本のように「休日だからショッピングに行こう」というのは無理なわけですね。それゆえに、こっちの人は祝日の行楽は山などの自然に行くか、該当日が祝日ではない隣国に遊びに行きます。こういうのも、国境が陸続きで気軽に国外へ抜けられるヨーロッパならではですね。

余談ですが、お兄ちゃんのキュリロスはなぜ祝日の名前部分から抹消されてしまったんでしょうか。