パンデミックの中心地で暮らす

最近の日本では半年にも及ぶ緊急事態状況が解消され、ここのところは新規感染者も少ないということで、感染に気を付けつつも平時に近い暮らしができるようになったと聞いております。

一方、私が住んでいるスロバキアでは11月下旬現在で新型コロナウイルスの新規感染者が世界で最も多い地域となっております。

オックスフォード大学が集計している"Our world in data"というページがありまして、そちらに新型コロナウイルス感染者の一日当たり感染者数(人口10万人あたり)が毎日更新されるのですが、11月21日時点ではスロバキアは世界第一位の新規感染者数をたたき出しております。

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ちょっと画像では読みにくいですが、隣国のスロベニアオーストリアチェコクロアチアハンガリーも新規感染者数で上位に入っておりまして、中欧ヨーロッパがパンデミックの中心地であることが分かるかと思います。

さすがにこのような状況ということもあってか何の規制がされないということはなくてですね。スロバキアでは、感染状況に対する規制度合いを5段階(モニタリング、注意、危険1~3)に分けているのですが、11月22日現在のスロバキア国内の規制状況はこのとおりです。

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黒=危険度3、紫=危険度2、赤=危険度1

ご覧のとおり最高危険度ばかりで真っ黒です。唯一赤色なのが左下の首都ブラチスラバがある地域付近して、なぜここら辺が危険度1かというと、ワクチン接種率が他地域より高いために危険度の規制が緩くなっているためです。

そして、危険以上の区域(現在は全土ですが)ワクチン非接種対象者に対する大幅な行動制限が加えられています。例えば、お店の営業ではワクチン接種者のみの入店を認める場合のみ営業可=クチン非接種者を対象にするならお店の営業は禁止、となっております。ということで、22日からは店内飲食の場合はワクチンパスポートの提示がなければ飲食店やアパレルの利用は不可能となります。

ちなみにもっと苛烈な規制を敷いているのが隣国オーストリアでして、今季初の「全土ロックダウン」を始めました。昨年と違いワクチン接種がある程度進んでいるにも関わらず、ワクチン接種者も含むロックダウンです。

jp.reuters.com

これより感染者数が(人口ベースで)上回っているスロバキアでもいつ同様の措置が取られるかは分からない情勢です。とはいえ、昨年のロックダウンが半年にもわたって行われたので再度のロックダウンは国民の不満も大変大きくなることが予測されること、政府も再三「去年と同じことにはしない」と言い続けてきたことから、ここ最近は規制状況を巡って政府内で駆け引きが続いております。

さて、本来であれば11月中旬以降からヨーロッパではクリスマスシーズンということで、主要都市ではクリスマスマーケットが開催される時期なのですが、感染急拡大の影響により各地で続々と2年連続の中止が決まっております。残念ながらブラチスラバのクリスマスマーケットも中止が発表されました。

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マーケット用に組まれたプレハブ店舗たち。左の国旗は日本大使館のものです。

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クリスマスマーケット用に設置された特大モミの木。

人生で初めてクリスマスを欧州で過ごすので、マーケットはものすごく楽しみにしていた分中止は超残念ですね。。。