常温の牛乳

 皆様、牛乳って飲みますか。牛乳というと飲むだけではなく料理にも使える良い食材いうことで、大体どこのご家庭の冷蔵庫にも入っていると思います。その他日本では給食で出るということで、老若男女問わずなじみのある飲み物とも言えます。もちろん、私が住んでいるスロバキアでも牛乳はありまして、スーパーマーケットに行っても大量に売られています。味もほとんど日本のものと変わりません。

 ただ、牛乳といえば「冷蔵」で「賞味期限が1~2週間弱」くらいです。スロバキアの冷蔵牛乳も大体こんなもんなのですが、実はスロバキアには別に「常温保存」タイプの牛乳というのが売っています。

スーパーの常温牛乳コーナー。見ての通り常温陳列です。

 この常温牛乳ですが、開封しない限りは概ね数か月から半年ほどの賞味期限があります(開封後は通常の牛乳と同様に冷蔵で2週間以内くらいに飲んだ方がいいらしいです)。ちなみに常温牛乳、スロバキアに限らず欧州では結構メジャーでスロバキア以外の国のスーパーでもよく見かけました。

 どうして常温でも賞味期限が長く保てるかというと、通常の牛乳は「殺菌」と言って、牛乳内に含まれている菌類を味を損なわない範囲でほぼ死滅させるため、一定温度で牛乳を熱処理した上で出荷されます。殺菌方法は色々あるらしいですが、日本だと120度~150度で2~3秒くらい処理する方法が一般的らしいです。ちなみにスロバキアの冷蔵牛乳の殺菌方法はもおおむね日本と同じようなやり方をしてるっぽいです。

 それに対して常温保存牛乳は「滅菌」処理がなされておりまして、さらに高温で処理しております。そうすると、菌が全て死に絶えるのであとは密封すれば冷蔵でなくとも長期間の保存が可能になる、というわけです。

 ただ、この滅菌牛乳も弱点がありまして、牛乳の味が殺菌のものと比べると変質します。どっちが美味しいかというのは好みの問題ではあるので何とも言えませんが、飲んだ個人的な感想としては「なんかいつもの牛乳と味が違うなぁ」という印象はありました。

 そんな牛乳ですが昨年冬の日本ではコロナの影響もあってか消費量が低迷した結果、「大量廃棄になってしまいかねない」ということで消費喚起が為されたことがありました。

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 まぁ牛という生き物から生産される商品なので、簡単に需給調整ができないのは致し方ないと思います。一方、捨てるくらいなら滅菌処理すれば長持ちするんじゃねーかなー、とは思ったりはするものの、実際のところ日本国内に滅菌処理できる設備が少なかったりとか、市場のニーズ的に滅菌の味は売れないとかで、常温牛乳の日本国内での普及には色々壁があるのかもしれないですね。