今日はワインのお話です。
日本人的にはヨーロッパワインといえばフランス・イタリア・スペイン・ドイツなど西側各国が思い浮かぶことが多いですが、実は中欧ヨーロッパの国々(チェコ・スロバキア・クロアチア・ハンガリー・ルーマニア・ブルガリアetc)でもワイン生産量は盛んです。そして、中央ヨーロッパの中でも世界的に知名度・評価が高いのがトカイワインです。
このトカイワインですが、赤・白・ロゼなど色々な区分のあるワインの中では貴腐ワインと言われるものです。貴腐ワインなんて初めて聞いた、という方に簡単に説明すると、ブドウを特定の気候条件下でボトリティス・シネレア菌(貴腐菌)というカビの一種に感染させ、貴腐化させたブドウを使い作ったワインです。貴腐化したブドウは凝縮効果で糖度が通常のブドウと比べて高くなるため、甘口で飲みやすいワインになります。
この貴腐化、というのは少々繊細だそうで、気候条件や選定などかなり手間をかけなければならず、それ故貴腐ワインというのはかなり高価格で取引されます。
そして、この貴腐ワインというのは俗によく言われる「世界三大貴腐ワイン」という3つの有名なブランドがあります。人類は何かにつけて三大にまとめるのが大好きなわけですが、その三種類とは「フランス、ボルドー地方のソーテルヌ」「ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ」そしてスロバキアから隣国ハンガリーにかけてのトカイ地方の「トカイ」です。
味ですが、先ほど書いたとおり甘口なので、別名「デザートワイン」と言われることもあり、かなり飲みやすくなっております。また、写真のボトルは2000年のものでして、そういうものはビンテージらしいより熟成した味が楽しめました。
ちなみに、日本で貴腐ワインを買おうと思うと、元々高額なのに加えて輸送量、関税などとかかってきてしまい、相当高い出費となります。ただ、産地に近いがゆえに高めのお酒も気軽に飲めるというのは地の利があります。