私、結構料理が好きでしてこっちでもよくキッチンに立って料理をします。そんなわけで、今日はヨーロッパのキッチンについて紹介したいと思います。
まず、我が家のキッチンはこちらです。
ぱっと気づく点としては、コンロがガス火じゃありません。ちなみに、こちらは日本のオール電化でよく見られるIHではなく「スーパーラジエントヒーター」と呼ばれるものです。
スーパーラジエントヒーターとは、電気の力でセラミックを加熱し、その熱で鍋を温めて調理する器具のことです。IHは磁力の力で金属製の鍋に電流を流し、その抵抗で発熱する仕組みでありまして、コンロ自体が発熱するものではありません。しかし、ラジエントヒーターは天板自体が熱を持ちますので、IHの欠点としてよく指摘される土鍋が使えないなどの調理器具の制約がありません。他にも、IHと同じくガスを使わないのでガス漏れ・火災の心配がなく、ガスコンロのような掃除の手間も不要です。
そんなガスコンロとIHのいいとこどりをしたような料理器具なのですが、欠点は火力が弱いことにありまして、パワーはガス火より圧倒的に劣ります。特に、中華料理などのような、鍋を振りながら高火力で一気に炒めるタイプの料理には不向きです。またお湯を沸かすのも時間がかかるため、我が家ではケトルでお湯を沸かしてからそれを温めた鍋に移してパスタを茹でたりしています。
そもそもですが、ヨーロッパはガス火のキッチンの方が珍しいです。現に、不動産探しの際にも仲介業者の人と物件をいくつか回った際に、「この物件は古いからガスコンロなんだよねー」という発言がありまして、こっちではガス火=古い装備、というイメージがついているっぽいです。
では、なぜこのような火力の強くない調理器具がヨーロッパでは一般的かと言いますと、ヨーロッパの料理は「煮込み料理」がベースであるためです。食材を長時間煮込むとなると、ガス火は火災の危険があるためどうしても目が離せませんが、電気式のヒーターならタイマーだけつけて放置しても平気です。逆に、日本でガス火のコンロが好まれるのは、家庭料理に「中華料理」の影響が色濃く出ており、しっかりとした火力できちんと炒めることに需要があるからかもしれません。
そして、ヨーロッパのキッチンにもう一つ、不可欠なものとして「オーブン」があります。
もちろん我が家のキッチンにもついておりまして、お肉や魚を焼くなら火力の弱いラジエントヒーターよりグリル機能でじっくり焼いた方が美味しくできあがります。ちなみに、このオーブンはレンジ機能も兼ねたオーブンレンジとなっています。日本だとオーブンレンジは「調理家電」という扱いで別途揃えるという位置づけですが、ヨーロッパではオーブンは必須調理器具ですので、ほぼすべての家庭で備え付けとなっています(古い家だとオーブンのみで、レンジは別途置いてあるケースもあります)。
最後に、冷蔵庫です。
冷蔵庫は棚の中に備え付けで、初見では家のどこに冷蔵庫があるか分からない仕様となっております。特に賃貸アパートだとこういった備え付けタイプの冷蔵庫が多いのですが、これはこちらの不動産慣習上「家具備え付け」が一般的であるためです。