西洋だからといってハロウィンがあるわけではない

ここ最近日本で定着した年中行事、といえばハロウィンでしょう。まぁ日本の場合はいわゆるコスプレお菓子大会ではありますが、楽しめればなんでもオッケーだと個人的には思います。

 

というわけで、今私は海外に住んでいるわけなので色んな人から「そっちのハロウィンはどう」「ジャックオランタンって作った?」と聞かれます。この場で申し上げますが、ヨーロッパではハロウィンというものを盛大にやることは基本的にありません。せっかくなので、今日はハロウィンの話でもします。

 

ある程度ハロウィンというものをご存じの方でしたら、あれはキリスト教ではなく「ケルト人土着のお祭り」を起源とするものということはご存じかと思います。ただ、意外とよく知られていないのが、このお祭りを今のようなTrick or Treat, cosplayといった形で盛大にやり始めたのはアメリで、しかも19世紀に入ってからということです。

このお祭り、元々スコットランドなどでは細々と続けれられておりまして、その人たちがアメリカに移住してから徐々に市民権を得始め、最終的には大規模な民間行事として定着するに至ったものです。ですので、ハロウィーン北米大陸の土着風現代お祭りであります。

以前の祝日の話でもしましたが、ヨーロッパ地域の文化行事においては大体キリスト教が絡んできます。ただ、キリスト教としてはこのケルト人土着風現代お祭りをキリスト教公認行事とは認識していません。まぁ「悪霊に対してこっちも悪霊の格好をして追い払おう」って発想自体、キリスト教と相いれない感が満載ですからね。カトリックの宗教行事一覧にもハロウィンはなく、むしろ次の日にある万聖節(11月1日)の方がはるかに重要視されます。

とはいえ、最近は異文化のお祭りといえど街中でハロウィンの飾りが全くないわけではないです。カフェによっては、ジャックオランタンをインテリア感覚で置いてある店もあったりする程度です。

余談ですが、こっちには「飾る用かぼちゃ」というカテゴリーがあり写真のようなものがスーパーの食品コーナーに売ってます。ただ、これもハロウィンだから飾るというより、季節商品兼インテリアという意味合いで飾られるもののようです。

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ちなみにこいつはあんまり食べてもおいしくないそうです。どうにも日本人感覚だと「かぼちゃ=食べ物」となり飾るだけの野菜というものに違和感を感じますが、どちらかというと季節のお花を飾るのと同じだと考えていただければ、しっくりくるのではないでしょうか。